今日で、最後。
夫を、子どもを見送る時、
娘を保育園に預ける時、
必ず笑顔で、きちんと相手の目をみて、
「行っておいでね!」と言う。
支度が遅い! 早く起きなさい!
・・・と、どれだけ叱った朝であっても。
もしかしたら、彼らに何かの事故が起き、
今朝が最後ということになってしまうかもしれない。
もしかしたら、私が事故に巻き込まれて、
あるいは突然の病気に倒れて、
二度と家に戻れないかもしれない。
迎えに行ってやれないかもしれない。
だから、別れの時にはこう思う。
「これで、この人の、この子の顔をみるのが
最後になるかもしれない。」
そう思って心を込めて相手を送る時、
いつもより時間がねっとりと、
ゆっくりと過ぎていくのを感じる。